持論乞う論
えー先日、バイトの同僚に村上春樹の本を持ってないかと聞かれまして。おそらく最近話題の『1Q84』効果ではないかと思うのですが。何を貸すかは結構悩みましたねー。読みやすい短編は抽象的すぎる気がしますし。おそらく一番売れたであろう『ノルウェイの森』は上下巻と少し長いですし。んで迷った末に処女作で分量もそれほど多くなく、それほど抽象的でもない『風の歌を聴け』を貸しました。私の持論として「村上春樹は就活前に読んでおけ」というのがあるので行動は迅速に、聞かれた次の日には渡しました。
で、なかなかおもしろいと言ってもらえまして。ほとんど本を読まない人なんですが、年齢はまだ20だし、電車通学で手持無沙汰な時間もあるしで、条件も良かったのだろうとは思います。ほんで何か別の本も貸してほしいと頼まれてまた悩んでたんですが。
またしても持論になりますが、「ジャンル不問、月3〜4冊レベルの読書家であれば人為的に作れる」と思ってます。(海外現代文学とか月10冊とかは無理です。私にはわからないです。)ただこれは対象の年齢が20歳程度の場合までしか、私には断言しかねます。というのは決して若いうちしか読書家になる可能性はないという意味ではないです。25歳以上がおもしろいと思う本というのが経験無いので私にはわからんということです。
というのも読書家を作る方法というのは、「できるだけわかりやすくておもしろい本を紹介する」、というだけのものでして。ようはおもしろいということがわかればそれがスポーツだろうと芸術だろうとギャンブルだろうと、それを好きになって趣味となりうるだろうと。んで本を読まない人という人はおもしろい本に出会ってないだけだろうと思うわけです。例えばそういう人に今まで読んだおもしろい本はって聞いても、答えは返ってこないことが多かったので。また私は推理小説をほとんど読まないのですが、おもしろい推理小説というのはぱっと思いつかないです。
でねー、活字離れとか出版不況とか言われてますが、これには学校教育と出版業界の怠慢も一因としてあると思うんですよ。本屋だって図書館だって本が何百冊とあるわけじゃないですか。ほんでその中からあんまり本を読まない人が自分に合う本を見つけるのは容易ではないわけですよ。だから本屋はそういう人が読みいい本を紹介するコーナーみたいなものをつくってもいいと思うんですよねー。んで学校は読書感想文課題図書に漱石だの芥川だの明治・大正純文学を推すのをやめようじゃないかと。(今でもそうかは知らないですけど。)そんな当時代性のない読みにくいものを無理やり読ませるから本嫌いが増えるんですよ。椎名誠でも京極夏彦でも読みやすいもんを好きに読ませてりゃいいんですよ。
中学読書感想文の課題図書を『燃えよ剣』にするだけで本を読む人は1割は増えるとおもうんですけどねー。(上巻のみでも可。分量で選り好みされたら困るし、上巻読んだら下巻もどうせ読むから。)
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